人としての「優しさ」が基本にあり、人のために何かをしたいというサービス精神が旺盛な人を求めています。お葬式というのは、普通の人にとっては非日常的なものです。ましてや故人にとっては人生に一度のこと。したがってスタッフは、プロであっても仕事に「慣れ」てはいけないのです。人の悲しみへの対応はマニュアル化できません。だからこそ、人に優しく接する心が必要なのです。
そのうえで若い人には、短期的ではなく長期的な野心や向上心を持ってほしいと思います。「自分がこの会社をけん引していくぞ!」というくらいの勢いで。もちろん、こうした話ができるような人間関係を保つことも大切です。
私は専門学校や大学に講師として呼ばれることが多いのですが、学生には「今のうちに徹底的に遊び、好きなことに打ち込め」と言っています。なぜなら働き始めると、趣味の時間などほとんど取れないからです。学生時代に悔いの無いようにやりたいことを吐き出した人は、社会に出てからの切り替えが早い。仕事にこの先の人生を捧げる準備ができているんですよね。私も学生時代は趣味のバンド活動に没頭しました。
もう一つ、学生時代に行って欲しいことがあります。それは自分の周りを見直すことです。家族や友人など、当たり前の存在になっている人の大切さを再確認してほしい。今は自分の死を考え準備をする『終活』がブームです。私はこの終活を、若い人にもやって欲しいと思っています。死を考えることは決してタブーではなく、この先の生き方を考えることなのです。終活を通じて自分を支えるツールを探ってほしいですね。
葬祭業はマンパワーが無ければ成り立たない仕事です。今後起こる人口減少のことを考えると、この業界は間違いなく人手不足になります。さらに当社の一番の課題は「若返り」。会社に新しい風を吹かせ、次世代を支えるためにも、若い人の力に期待しています。