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株式会社 TESS
製造業〔仙台市青葉区〕

希望あふれる社会をめざし、進む足こぎ車いす

株式会社 TESS 株式会社 TESS

自転車のようにペダルをこぐことで進む車いす「プロファンド(Profhand)」の普及をめざすメーカーです。プロファンドは、どちらかの足が少しでも動かせる人であれば運転が可能で、腕の力が弱い人でも使用することができるだけでなく、「最先端のリハビリ機器」としての役割も持っています。障害のある足が反射によって動くことで、運動機能の回復も期待できるのです。この「楽しく移動しながらリハビリもできる車いす」を通じて、障がい者も生活に希望を見いだせる社会の実現をめざします。

所在地
〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 東北大学連携ビジネスインキュベータ404号室
Tel. 022-399-8727 Fax. 022-399-8728
http://www.h-tess.com
代表者
代表取締役 鈴木 堅之
資本金
7,980万円
創業設立年
2008年
受賞歴
2010年 「第2回みやぎ優れMONO」に足こぎ車いす「Profhand」が認定
2014年 「Japan Venture Awards」経済産業大臣賞受賞 など

(2016年2月取材)

一番大切なのは熱い「意志」と「意欲」

鈴木 堅之

代表取締役
鈴木 堅之

大学の研究成果を実社会に生かしていく(株)TESSは「大学発ベンチャー企業」です。みなさんが「ベンチャー企業」と聞くと「採用時に学歴にこだわるのでは、求めているのは即戦力なのではないか」という疑問が浮かぶかもしれませんが、当社の場合、そんなことは全くありません。むしろ頭の良さや実績があるために、仕事に対して「無理」や「無駄」と、守りに入ってしまう可能性もあります。しかし私が最も重要視するのは、足こぎ車いす普及への「意志」と「意欲」です。仕事では何度も壁にぶつかります。前例のない事業を行うベンチャーはなおさらです。しかし困難に直面してもモチベーションの根底に「この製品を本当に必要にしている方にお届けしたい」という熱い思いがあれば、へこたれず立ち向かえると思います。
また、一緒に働きたいと思う人材は「自分で行動できる人」です。教えてもらうより先に自ら動いてほしいですね。「高齢者や障がい者、さらにはそのご家族のために、こんなことをしたい」という自分の信念を持って積極的に行動できる人にとって、チャンスにあふれた当社はやりがいのある職場だと思います。
逆に指示がなければ動けない人にとっては何をすればいいのかわからず、辛く感じるかもしれません。そもそも研修は行いませんし、展示会などのプレゼンテーションを新入社員に担当させることもありますからね。マニュアルを叩き込んで、枠にはめ込んでしまっては、せっかくの独創性が失われてしまうと考えているためです。失敗してもいい。フォローはしっかり行いますので、どんどん挑戦してほしいです。成長はその先にあります。
ちなみに社員のほとんどは東北出身です。みんな地元に貢献したいのでしょう。仙台から世界へ発信していきたい方には、ぜひエントリーしてほしいですね。
最後に就活生のみなさんへ。起業したり、企業で新しい試みをしてみるという選択肢も視野に入れてみると楽しいですよ。

業務内容

最先端技術を生かした製品を広めていく

婦人科や泌尿器科において治療効果や症状緩和が期待されている「電気刺激装置」の商品化に向け準備を進めています。もう一つは足こぎ車いす「プロファンド(Profhand)」。2009年の発売開始以来、市場拡大に取り組んできました。国内販売額は年々増加していて、外国でも市場を展開しています。このプロファンドの改良開発、販売、製造、そしてメンテナンスが、現在の主な業務です。製造やメンテナンス、海外での営業などは、他の企業と連携して行う一方で、事務業務とお問い合わせ対応については仙台本社で行います。販路拡大を担う営業担当は、さまざまなトレンドを捉えるため全国各地を拠点に活動しています。

企業の特色・強み

周りとの共感そして協力

2008年の設立当初は「販路なし、資金なし、製造技術なし」という、事業展開が非常に厳しい状況でした。しかし8年経った現在、足こぎ車いすの売り上げを伸ばし続けています。なぜここまで成長できたのでしょうか。理由を鈴木社長は「共感し協力してくれる人がいたから」と答えます。車いす製品化の途上で、社長が壁にぶつかり悩んでいたとき、手を差し伸べてくれた金融機関やパートナー企業は、すべて車いすに感動し、その可能性を信じてくれた人々だったそうです。熱意を共有することで、これまで築き上げてきた関係を強みに、成長を重ねてきたのです。現在はベガルタ仙台とも提携し、ホーム戦勝利の際にはチームマスコットが施設に車いすを寄贈しに行くという普及活動も行っています。

将来のビジョン

リハビリを変える。生活を変える

未来へのビジョンは足こぎ車いすの普及に留まりません。その先に「リハビリが楽しい未来」を見据えています。鈴木社長はかつて理学療法士の学校に通っていたそうで、実習先の病院で見たのは「頑張っても回復できないかも」と悩む患者さんの姿でした。そのとき「リハビリ室を明るく、前向きな気持ちを育てる場にしたい」と感じたそうです。現在プロファンド利用者の多くが、新たに買い物や旅行をしてみたりと、自らの生活に前向きな変化を創りだしています。「こげた達成感が『頑張るぞ』という心の元気につながるんです」と鈴木社長。現在は、急な坂道も登れる力強いタイプや子どもに向けたタイプなど、幅広い人に向けたプロファンドを製作中です。より多くの誰かのために、これからも事業に取り組むそうです。

わたしの出番!

お客さまの相談役に感じるやりがい

わたしの出番!

庄子 千景さん
営業支援室

プロファンドは一人ひとりの特徴に合わせて、微調整が可能な乗り物です。「ハンドルを下げたほうが楽な姿勢で運転できますよ」といった提案を通して、お客様とともに生活を創りあげられることにやりがいを感じます。今までで一番印象に残っているのは、市の障がい者向けスポーツイベントに参加したときのことです。一人で立てなかった子どもが、足こぎ車いすを自分の力で動かして、笑顔になってくれました。その母親も「本当に自分の力で動かせているの?」と感動してくれたのです。足こぎ車いすの社会的役割の大きさと、これからの可能性を強く感じた瞬間でした。これからも必要とする人たちに希望をお届けするため、心を込めて仕事に取り組んでいきたいと思います。

マイ・パートナー

魅力伝えるため持ち歩くパソコン

マイ・パートナー

鈴木社長が常に持ち歩いているパソコン

海外出張や病院での営業、試乗会や研究発表会など、いつでもどこにでもパソコンを持ち歩いている鈴木社長。一人でも多くの人に、足こぎ車いすに乗った嬉しそうなユーザーの映像を見てもらうことで、その魅力をもっと広く知ってもらいたいからです。口で説明するより映像を見せる方が、断然反応がいいそうで「車いすの速さは早歩き程度で」と言葉で伝えても、伝わらない人にも、実際に映像を見せると「スイスイ動くんですね」と言ってもらえるそうです。日本語が通じないベトナムでの営業の際も、パソコン内にある映像集を見せることで、伝えたいことをしっかり伝えることができると話します。これからも足こぎ車いすの普及のために、社長自らパソコンを持ち歩きながら営業していくそうです。

先輩の声

TESSにつながる今までの経験

先輩の声

伊藤 ちえ子さん
秘書室長兼地域貢献担当

会社設立時から営業や商品の配送手配、ホームページの制作など複数の業務を担当してきました。私はTESS入社前に製造業、一般・営業事務、営業、接客業などを経験してきたのですが、今振り返るとそれらは何一つ無駄がなく、点はあるときになれば一線にしてつながっていることを痛感します。働くうえでは、会社にとって何が必要なことか見極め行動すること、何を求められているのかを考えることが必要だと思います。

この記事を書いた学生記者

僕は今でこそ元気にWISEなどの活動に取り組んでいますが、大学1年生の夏から秋にかけて、病気で長期の入院をせざるを得ない時期がありました。かかったのはギランバレー症候群。運動神経が阻害され体に力が入らなくなる難病です。動けない、話せないといった症状があり、回復には段階的なリハビリが必要です。そんな病気にかかり体の不自由を味わった自分が、今回(株)TESSさまの取材を担当することになったのは、なにか運命的なものを感じます。
2年前、僕は身体が動かない現実に、何度も気もちが腐りそうになった記憶があります。それでもなんとか希望を胸に抱きつつルーティンをこなさなければなりませんでした。リハビリは肉体的にのみならず、心の部分においても努力を要する作業なのだと思います。
取材では、車いすに乗った方の映像を見たのですが、みなさん笑顔なのがとても印象的でした。より多くの方が楽しく過ごせるために、足こぎ車いすが普及していくことを切に願います。(石澤 脩)