WISE:Work-style Information by Student's Eye

新プロジェクト「WISE」始動!
学生による学生のための
地域企業情報誌&WEBサイトを作ろう!

有限会社 ヘルシーハット
卸売業、小売業〔仙台市宮城野区〕

アレルギーを持つ人にも、おいしくて安心できる食生活を

有限会社 ヘルシーハット 有限会社 ヘルシーハット

30年以上にわたり食物アレルギー問題に取り組み、食物アレルギーに対応した商品を販売する店舗を開店したのが有限会社 ヘルシーハットです。仙台駅から徒歩十五分程度の都心部にある店舗には、アレルギーを心配することなく食べられるさまざまな食品の他にも、石けんやスキンケア用品などが数多く取り揃えられています。また、アレルゲンなしの食材を使用した料理やデザートを提供するカフェスペースもあり、安心して外食が楽しめることで人気となっています。

所在地
〒983-0803 仙台市宮城野区小田原1-4-26
Tel. 022-292-0355 Fax. 022-292-0357
http://www.healthy-hut.co.jp
代表者
取締役社長 三田 久美
資本金
300万円
創業設立年
1984年

(2016年2月取材)

社会問題への取り組みをけん引するセンスとチャレンジ精神を持った人材

三田 久美

取締役社長
三田 久美

今でこそ食物アレルギーは疾患として知られていますが、当社はその言葉が世間に知られる以前の、30年前からこの問題に取り組んできました。当時はまだ、食べられないのは母親の責任とか、子どものわがままと思われていた時代でした。
食物アレルギーの問題は、単にその食品を食べることができないというだけではなく、命にかかわる問題であり、いじめや不登校といった社会問題にもなるような奥が深いものです。それだけに、アレルギーを持つ子どもを持った母親たちと一緒に、医療関係や行政、学校などに何度も働きかけを行いながら、ようやく30年かけて現在の状況になったというのが実情です。
「食べられるものがない」とか、「子どもたちに食べさせられるものがない」と、悩み苦しんできた本人や母親たちの希望を叶えるために、さまざまな食品の開発を始めた当社は、単に食品を製造して販売するだけではなく、食物アレルギーを持つ本人やその家族の気持ちや感情も考えながら製造販売する一方で、一般の人たちに食物アレルギーのことを理解してもらえるような働きかけも行うといった、市民活動的な役割も持っています。
ですから、食物アレルギーのことを理解して、取り組みをけん引してくれるようなセンスを持ち、新しい課題を見つけてチャレンジしてくれるような人材が望ましいですね。例えば、製造に携わる社員であれば、単においしいものをつくるというだけではなく、食べる人の命を守るために、その人が食べられる限られた材料の中で、いかにおいしいものをつくるかといったような、ある意味で奉仕の精神を持って働ける人であることが求められます。
食物アレルギーに対する知識や対応は、まだまだ不十分です。優秀な人材にこそ、こうした分野の仕事に関わってもらいたいと思っていますし、今後十分に力を発揮できる仕事だと思います。

業務内容

商品の販売だけでなく、外食できるカフェスペースも

食物アレルギー対応の冷凍お惣菜をはじめ、パンやお菓子といったオリジナル食品の製造・販売の他に、他メーカーが製造したアレルギー対応食品も販売しています。また、米や粉、麺類をはじめ、調味料やふりかけといったアレルギー対策用の商品も取り揃え、食に関する商品以外にも、化粧品やスキンケア用品、石けん、洗剤のほか、防ダニ加工の寝具、浄水器や空気清浄器の販売も行っています。
店内にはアレルギーを心配せずに外食が楽しめるカフェスペースもあり、ノンエッグオムライスやお子様ランチ、ケーキセットなどさまざまなメニューを提供しています。食物アレルギーを持つ人はもちろん、それ以外のアレルギーを持つ人にとっても、一度は訪れてみる価値のある店舗です。

企業の特色・強み

アレルギーを持つ人の願いをかなえてくれる豊富な品揃え

お惣菜からパン、スイーツまで、おいしくて安心なものを子どもたちに食べてもらうため、ヘルシーハットでは、長年にわたってオリジナル食品の開発に取り組んできました。そのラインナップは、お惣菜だけでも約六十種類にもおよびます。他では真似のできないヘルシーハットだけの品揃えです。現在はインターネットなどを利用して、全国から注文が入るそうです。一人ひとりの要望を聞きながら商品を開発するため、難しいオーダーの場合は、試作を10回以上行うこともあるそうです。このさまざまなオリジナル食品は、すべてがスタッフの手づくり。アレルギーを持つ人はもちろんその家族の悩みを解消してくれる豊富なラインナップになっています。

将来のビジョン

食物アレルギーへの理解を深め、新たなメニューを創造する

最近では、多くの人や企業の取り組みによって、アレルギー対応食品も多種、多様化し、便利な品が数多く揃うようになってきました。しかしその実情は、クッキー一つをとっても、通常の何倍も手間がかかるだけに、製造している大手企業でも、なかなか利益が上がらないほど難しく、現在は「製造する側のこころざしやチャレンジで成り立っているのが実情」だそうです。それだけに三田社長は、企業としてもっと勉強していけば、食物アレルギーの人でも食べることができる食品をもっと増やすことができるのではないかとの思いから、「まだまだ食物アレルギーへの理解も深めたいし、常に誰もつくっていないような、新しいメニューをつくることに挑戦していきたいです」と話します。

わたしの出番!

自分が母親だったらと考えながら働いています

わたしの出番!

三田 有美さん
カフェ主任

カフェで提供するケーキづくりが、普段の業務です。スポンジに小麦粉は使用せず、米粉からつくっています。学生の頃は調理の学校で学び、母の経営するヘルシーハットに入社しました。私は常に「自分が母親だったら、アレルギーを持った子どもに何をしてあげられる?」と考えながら仕事をしています。子どもにとって、お祝い事で食べるケーキは特別なものですよね。ですがアレルギーを持っているだけで、好きなケーキを選んだり、家族や友達と食べる楽しさを味わえないんです。とてもショックを受けると思いますし、幼少時に感じた事は大きくなっても心に残っていると思います。そんな人たちが、自分のつくったケーキを笑顔で食べている。そこに一番のやりがいと幸せを感じています。

マイ・パートナー

開発に欠かせない柔軟な考え方

マイ・パートナー

新メニューは柔軟な考え方から

三田社長のマイパートナーは、自分自身の「常識にとらわれない柔軟な考え方」です。ヘルシーハットでつくっている、数々のアレルギー対応食品。どのメニューも最初はレシピがなく、未知の世界からのスタートでした。「前例がないからどうしたらいいのか分からない、という考えはありませんでした。むしろ開発に面白ささえ見いだしていた」と三田社長。その創造性から考案されたメニューの数々を、遠方から求めに来るお客様も少なくありません。

先輩の声

おいしいのひと言と笑顔が一番のやりがい

佐藤 正人さん 工場長

ヘルシーハットで働くきっかけは、アレルギーに興味を持ったから。和洋中さまざまな料理をつくってきた経験を生かしたいと思いました。アレルギーに関する知識はありませんでしたが、一から勉強を重ねていきました。ヘルシーハットの素晴らしい所は、お客様の反応を直接見ることができる所。カフェで食べている様子が見えるので、おいしいのひと言と笑顔を見れたときに、やりがいや喜びを感じます。

この記事を書いた学生記者

食物アレルギーの問題に早い段階から取り組み、さまざまな問題に直面しながらもチャレンジを重ね、アレルギーに対する認識を少しずつ改善しながら、現在の店舗展開や取り組みを続けている三田社長の話は、とても興味深く勉強になりました。食物アレルギーに関しては、私もある程度は知っている気になっていましたが、当事者やその家族の人たちの、心労や苦痛までは理解していませんでした。 「この30年はいばらの道、開拓の道でしたね」と話す三田社長。現在は、アレルギーをもっている子どもから、「一生感謝します」という手紙をもらったりすることもあるとのことで、まさに「企業経営半分、市民活動半分」という三田社長の言葉を実感しました。地域に貢献するという企業の話は多く聞きますが、アレルギーを持つ子ども、そしてその家族のことを考えて進んできたことが、地域、そして日本全国に貢献することに繋がっているのだと、あらためて知ることができました。(葉坂 真奈美)