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株式会社 フォトニックラティス
製造業〔仙台市青葉区〕

見えないものが見える世界へ

株式会社 フォトニックラティス 株式会社 フォトニックラティス

株式会社フォトニックラティスは「フォトニック結晶」という人工結晶を開発・製造している大学発のベンチャー企業です。偏光というフォトニック結晶特有の性質を生かし「見えないものが見えるようになる」製品を数多く手掛けています。
もともとは東北大学での研究テーマだったフォトニック結晶。その量産技術を独自に開発し、工業製品に応用しようと2002年設立されました。光通信や光学機器などの産業界から大学・研究機関まで、顧客は様々。進化し続ける光工学分野のなかで、キラリと光る企業として注目を集めています。

所在地
〒989-3204 仙台市青葉区南吉成6-6-3 ICRビル2階
Tel. 022-342-8781 Fax. 022-342-8782
http://photonic-lattice.com/
代表者
代表取締役社長 佐藤 尚
資本金
1億2,150万円
創業設立年
2002年
受賞歴
2009年 第1回みやぎ優れMONO認定
2010年 日刊工業新聞 第22回中小企業優秀新技術・新製品賞
2014年 レーザー学会産業省奨励賞
2014年 第39回井上春成賞
2016年 第8回みやぎ優れMONO認定

(2016年2月取材)

理系の知識と主体性を

佐藤 尚

代表取締役社長
佐藤 尚

「フォトニック結晶」という結晶をご存知でしょうか。凸凹の断面形状を持つ膜を重ねた人工結晶のことを指します。このフォトニック結晶は、光を当てると平らな断面の結晶とは異なる屈折を生み出す、「偏光」を引きおこす性質があります。この偏光技術は、見えないものを見えるようにする技術で、例えば反射する光だけをカットして視界をクリアにする偏光グラスなどに応用されます。当社では「自己クローニング」というフォトニック結晶の量産技術を世界で初めて独自に開発しました。
このようにフォトニック結晶は、光工学分野の人工結晶にあたります。したがって当社は、大学もしくは大学院で理系の勉強をされている方が活躍できる職場です。社員もほとんどが理系の学部を卒業しています。
働くうえでは人格面も重要な要素となります。当社では新入社員もチームに加わり、製品開発のプロジェクトに参加してもらっています。したがって仕事は自分の手元にとどまりません。次の工程の担当に、どう引き継げばスムーズに仕事が進むのかを、一人ひとりが考える必要があるのです。そこで求めるのは、主体的に仕事ができる人です。言われたことを行うだけではなく、全体のことを考えてベストな方法を見つける新しさが欲しいですね。
最近では、昨年県外の大学院卒業生を1名、その前は3年前に県内の新卒学生を1名採用しました。最も若い入社1年目の社員も、すでにフォトニック結晶の設計、製造、検査を行えるようになっています。覚えが早く、とても頼もしい存在です。
社員は二十名ほどですので、会社における一人ひとりの役割や立ち位置がよくわかると思います。若い人の提案も通りやすい、いわゆる風通しの良い職場です。フォトニック結晶のような、他にはない素材を使って、何か新しいものを生み出すことに魅力を感じる人には合っていると思います。

業務内容

フォトニック結晶の生産および応用

主な事業の内容は、フォトニック結晶の素子そのものの製造・販売です。さらにフォトニック結晶を使用した応用製品の開発です。独自の技術でつくられている点が認められ、2009年には「第1回みやぎ優れMONO」に認定されました。
また偏光技術を応用した製品には、半導体内の小さなゴミを検出するシステムや、透明なプラスチックやガラスのひずみを短時間で調べることのできる測定器などがあります。この測定器は、身近にあるスマートフォンのカメラレンズのひずみを検査するなど、より高性能な商品開発に向けて重要な役割を果たしています。その他にもフォトニック結晶を使った新しい応用製品の開発が日々行われています。

企業の特色・強み

世界でただ一つの技術を誇る

「フォトニック結晶を量産する技術、自己クローニングを使えるのは、世界中でわが社だけというのが一番の強み」と佐藤社長。法人化する前からの研究室時代も合わせ、合計30もの特許を取得している企業も、宮城県では珍しいといいます。
また、数々の受賞歴もその実力を物語っています。2009年の「第1回みやぎ優れMONO」認定や「日刊工業新聞中小企業優秀新技術・新製品賞」など、その種類も多岐にわたります。そして2016年には「第8回みやぎ優れMONO」に、フォトニック結晶を使った応用製品が認定されました。
常に新しいものを生み続け発展し続けるフォトニックラティス。今後、ますます成長が期待できそうです。

将来のビジョン

より大きく、より身近に

「会社はまだまだ発展途中です。新たな市場の獲得に力を入れて、会社を成功させることが企業としての将来のビジョンであり、私の個人的な夢でもあります」と、仕事一筋の佐藤社長。今後は自動車産業や医療の分野での市場拡大を目指して、新たな製品の開発に挑むそうです。
また、フォトニック結晶を多くの人に知ってもらうことも目標の一つ。「光通信のように、消費者に身近なものに応用し、それを通じてより多くの人にフォトニック結晶を知って使ってもらいたい」と話します。さらに今後は、日本だけにとどまらず、海外にもこの製品と技術力をアピールしていく予定です。

わたしの出番!

理系男性は紳士的!!

わたしの出番!

大林 さなえさん
経営サポート、経理・総務担当

経営サポート部で経理と総務を担当しています。今年で入社3年目です。男性社員が多いフォトニックラティスですが、優秀な方が多いためか、皆さんとても紳士的で親切にしてくださいます。私はこれまで何度か転職を経験してきましたが、今までで一番働きやすい職場です。
女性は結婚や出産を機に仕事を辞めてしまう人も多いですが、私は仕事を続けてほしいと強く思います。専業主婦が夢なら別ですが、やりたい仕事は負けないで続けてほしいです。家事や育児を両立させるためにも、この会社は働きやすいと思います。今は4名しかいない女性社員も、これから会社の発展とともに増えていけば、女性のためのさらなる制度の導入も期待できそうです。

マイ・パートナー

自分の手でメモを取る

マイ・パートナー

ノートとペン これまでに使ったノートは本棚一段分になる。

佐藤社長のマイパートナーは『ノートとペン』。「パソコンでメモを取る人もいますが、私は自分の手で書きたいので必需品です」と佐藤社長。学生時代から研究などでたくさんのメモを取ってきたせいか、今ではすっかり習慣化。学生時代の研究ノートなども残っており、これまでに使用したノートは、自宅の本棚の一段分を埋めるほどになるといいます。メモはノートとはいえ、仕事をするためにはパソコンも必需品です。実は社員から「いつもパソコンとにらめっこしているイメージ」と称されるほど、パソコンも相棒のようです。一つひとつの持ち物からも、佐藤社長の真面目な人柄が表れているようです。

先輩の声

海外経験が大きな糧に

先輩の声

居城 俊和さん
フォトニック結晶部

学生時代は光工学の勉強をしていて、入社して1年目になります。他の企業にはないユニークな技術に惹かれて入社しました。学部の4年生の時に、半年間ドイツ留学をした経験が現在の仕事にも生かされています。学生の間に海外経験をしておいて損はないです。特に理系の研究分野は日本にとどまりません。また英語でプレゼンをすることもあるのでとても役に立つと思います。

この記事を書いた学生記者

自分が文系の学部なので、あえて理化学系の企業をと思いフォトニックラティスさんを取材しました。取材前ホームページを見て、フォトニック結晶とは何かを理解するだけでも2時間かかり、やはり文系には難しすぎると思いました。ところが実際に社長の佐藤さんに説明していただくと、すんなり分かるのです。さすがは長年この研究に携わっているお方。どんな相手にでも確かに伝わるようお話ししてくださいました。女性社員の大林さんも仰っていましたが、会社のみなさんは本当に物腰が柔らかで紳士的な方ばかりです。
取材後には実際にフォトニック結晶の応用製品が、プラスチックのひずみを測定する様子を見せてもらい、その技術力に圧倒されました。今後、日本そして世界で活躍するようになってもずっと応援し続けたい企業です。(徳水 璃都)