新しい家族との生活を始めることは、特に婿養子にとっては、不安やプレッシャーも大きいもの。
「この家に私は本当に受け入れられるのかな？」と心の中でつぶやきながら、一歩ずつ新しい生活に慣れようと努力しています。しかし、時には「なんでこんなに苦労しなければならないの？」と、心が折れそうになる瞬間もあります。
この記事では、そんな婿養子たちが感じる「きつさ」「つらさ」を和らげるための具体的な対処法を探ります。
「もしかしたら、私だけがこんなに苦しんでいるのかもしれない」と感じるあなたに、少しでも心の支えとなるような記事になればうれしい限りです。
婿養子がきつい・つらい理由
下記の理由から婿養子がきつい・つらいと感じます。
- 期待に応えなければいけないというプレッシャー
- 価値観の違いによる摩擦
- 自分の家族や友人との距離を感じるようになる
それぞれを詳しくみていきましょう。
期待に応えなければいけないというプレッシャー
新しい家族の一員となるということは、喜びであると同時に、大きなプレッシャーも伴います。特に婿養子として新しい家庭に迎えられる際のプレッシャーは、想像以上に重くのしかかるものです。
新しい家族との関係を築く過程で、「自分はこの家に本当に必要なのか」と自問自答することも少なくありません。
「家族として受け入れてもらえるかな」という不安は、日々の生活の中で様々な形で現れます。食卓での会話、家族行事、ささいな家庭のルールに至るまで、全てが試練のように感じられることがあります。
そして、家業を継がなければいけない時には、先代からの期待に応えるために、自分の仕事や夢を後回しにしなければならないこともあります。先代から引き継がれた事業の業績や名誉を守りつつ、時にはそれを超える成果を期待されることもあるのです。
価値観の違いによる摩擦
最初は「ちょっとした違い」と思っていたことも、日が経つにつれて「なんでこんなに違うの？」というイライラへと変わっていくことがあります。例えば、あなたが大切にしていた家庭のルールや習慣が、新しい家庭ではまったく通用しないことも。その度に、心の中には小さなストレスが積み重なっていきます。
価値観の違いが原因で家庭内での対立が起こると、その対立はただの言い争いで終わらないことも。自分の考えや価値観がまったく受け入れられないと感じた時、人は深い孤独や疎外感を感じるものです。家族というべき人たちの中で孤立してしまうことほど、辛いことはありません。
家族間の価値観の違いは、コミュニケーションをも難しくします。自分の気持ちや考えを伝えようとしても、なかなか理解してもらえない。そんな状況が続くと、家族との話し合い自体が億劫になり、心を開くことが難しくなってしまいます。
自分の家族や友人との距離を感じるようになる
新しい家族との関係を築こうと、毎日がんばっているけれど、その努力が逆に、自分を昔の世界から遠ざけているような感覚に襲われることもあります。「これでいいのかな…？」そんな問いかけが、夜な夜な心をさまようことも。
婿養子になることで、自分が育った家族や友人との距離ができる理由にはいくつかの側面があります。これは単に物理的な距離だけでなく、心理的な距離感にも関わってきます。
物理的な距離でいえば、婿養子になると、多くの場合、配偶者の家族が住む地域に移住する必要があります。これが自分の故郷や以前住んでいた場所から遠い場合、自然と家族や友人と会う機会が減少します。
一方、心理的な面では、新しい家族との生活に適応しようとする中で、以前の自分の生活習慣や価値観が変わることがあります。この変化が、以前の友人や家族との間に心理的な隔たりを生むことがあるのです。
婿養子がきつい・つらいと感じた場合の対処法・うまくやるコツ
ここでは婿養子がきつい・つらいと感じた場合の対処法・うまくやるコツを解説していきます。
婿養子先の家族に悩みを共有する
家族に対して自分の感じているストレスや苦痛を伝える際には、いくつかのポイントに注意することが大切です。特に婿養子としての立場であればなおさら、慎重に、そして建設的な方法で伝える必要があります。
ここでは婿養子先の家族に悩みを共有するためのポイントを解説していきます。
妻との事前の相談
まず、妻としっかりと話し合い、あなたが感じていることを共有することから始めましょう。二人で一緒になって、家族全員での話し合いの機会を設ける計画を立てます。この時点で妻との間にしっかりとした理解と協力関係が築けていることが重要です。
感情的にならないようにする
話し合いでは、あなたが感じていることを正直に、しかし冷静に伝えることが大切です。感情的になりすぎず、相手を責めたりするような言い方は避けましょう。また、自分の不満やイライラをそのままぶつけるのではなく、具体的な例を挙げながら、どうしてその状況が辛いのかを説明することが効果的です。
良い例
「お父さん、お母さん、お忙しい中、話を聞いていただきありがとうございます。自分でもまだまだ至らないところが多いことは承知していますし、日々、婿として、また家族の一員として成長できるよう努力を続けています。ただ、最近、毎日のように聞かされる愚痴が正直辛いです。私も皆さんと同じように家族の幸せを願っています。愚痴を言われると、私の努力が否定されているようで、心が痛みます。お互いにもっと前向きなコミュニケーションが取れたらと思っています。何か私にできることがあれば、是非教えてください。」
悪い例
「もう限界です。毎日毎日、あなたたちの文句や愚痴を聞かされて、精神的に参っています。婿養子だからって、何を言ってもいいと思わないでください。そんなに不満があるなら、私はもうこの家を出ていきます！」
定期的な話し合いの場を設ける
定期的に家族会議を開き、お互いの思いを共有しましょう。たとえば、毎月一度、家族全員が集まる「家族会議」を設けることで、日常生活で感じた小さな摩擦や誤解を解消する良い機会になります。
会議といっても堅苦しいものである必要はありません。リラックスできる場所で、お茶を飲みながらなど、和やかな雰囲気の中で行うと良いでしょう。
感謝の気持ちを伝える
家族への感謝の気持ちを伝えることが忘れがちになることがあります。
しかし、小さなことでも感謝の気持ちを言葉にすることは、良い関係を築く上で非常に有効な方法です。感謝の言葉を言われて嫌な人間は誰一人としていないからです。
例えば、「今日の夕食、とても美味しかったです、ありがとうございます」「いつも気にかけてくれて、本当に感謝しています」といったように日頃から意識して感謝の気持ちを伝えるようにしてみてください。今まで上手くいかなかった関係が、上手くいくようになるかもしれません。
自分だけの時間を確保する
新しい家族との生活は、時にはプレッシャーやストレスを感じることもあります。自分だけの時間を持つことで、そんな日々の緊張から一時的に解放され、自分自身と向き合う機会を持つことができます。
特に趣味や運動など、自分のリフレッシュになる活動に時間を割くことで、ストレスを軽減できます。
読書、絵を描く、音楽を聴く、ガーデニングなど、自分が没頭できる趣味を見つけましょう。趣味に没頭する時間は、心をリフレッシュさせ、ストレスを解消します。
またウォーキング、ランニング、ヨガ、ジム通いなど、体を動かすことでストレスを発散させることができます。運動は心身の健康を保つだけでなく、リラックスする時間としても有効です。
自分を大切にすることは、新しい家族との良好な関係を築く上での基盤となります。自分が健康で幸せであることが、周囲の人々との関係にも良い影響をもたらすのです。
他人に相談する
婿養子としての生活がきつい・つらいと感じた場合、他人に相談することは大きな一歩となります。自分の思いや悩みを共有することで、内に溜め込んだストレスを軽減し、新たな視点や解決策を得ることができます。
相談相手としては、下記が挙げられます。
- 信頼できる家族や友人
- カウンセラーや心理療法士、占い師などの専門家
- 同じような悩みを持つ人々が集まるコミュニティに参加
- 相談の前に自分の気持ちを整理する: まず、自分自身の気持ちや悩みを整理しておくことが大切です。具体的に何がつらいのか、どのような解決を望んでいるのかを明確にしておくことで、相談時にスムーズに伝えることができます。
- 適切な相談相手を選ぶ: 信頼できる人、話しやすい人を相談相手として選ぶことが重要です。家族、友人、専門のカウンセラーなど、相談内容に応じて最適な相談相手を選びましょう。
- 正直かつオープンに話す: 自分の感じていることを正直に伝えることが大切です。隠さずに本音を話すことで、より適切なアドバイスやサポートを受けることができます。
話し合いをしたけど、婿養子がきつい・つらいままの場合はどうすればいい？
話し合いを何度も重ねたが、折り合いが付かない場合にどうすればよいか解説していきます。
何度話し合っても、分かち合えない場合は別居も視野に入れる
自分の気持ちを伝えても、なかなか状況が改善されないと感じた時、「もしかして、私の言葉は届いていないのかもしれない」という絶望感に包まれることがあります。
「このままでは、いつまで経っても何も変わらない」という危機感を抱きつつ、別居や転職などの大きな決断を迫られる状況は、誰にとっても「きつい」「つらい」ものです。
しかし、その一歩を踏み出す勇気が、状況を好転させるきっかけになることもあります。妻の両親に対して「この前の話し合いから改善がまったく見られないから、近々家を出ていこうと思う」と伝えることは、決して口だけの宣言で終わらせず、実家にも事前に連絡を入れるなど、具体的な行動計画を持って臨むことが重要です。
「家業を継ぐために努力していたが、このままでは難しいと感じている。転職も考えている」という言葉には、ただの脅しではなく、真剣な覚悟が込められているべきです。
このような決断をすることは容易ではありませんが、現状を変えるためには、改善してほしいという意志を行動で示さなければ何も変わりません。
「本当にいなくなってしまうかもしれない」という危機感を持ってもらえれば、家族も本気で改善を考えてくれるかもしれませんし、別居した後に「戻ってきてほしい」という思いを抱かせることで、より良い関係を築くことができるかもしれません。つらい思いをするのは、行動を起こさないあなただけです。現状を変えたいと願うなら、思い切った行動を考えてみることが、時には必要かもしれません。
どうしても耐えられない場合には離婚
「もう我慢の限界だ」と感じたとき、夫婦関係の悪化の原因が妻や妻の家族にある場合、離婚や慰謝料の請求を考るのが得策かもしれません。
特に、妻の親からの暴言や、妻が親との関係修復に消極的であることが精神的な苦痛を引き起こした場合、これらは離婚の正当な理由となり得ます。しかし、このような決断を下すには、ICレコーダーやスマートフォンでの秘密録音、病院のカルテや診断書といった、裁判での証拠が必要になります。
慰謝料に関しては、妻が収入を持たない専業主婦であっても、夫婦関係の悪化の原因が妻の家族にある場合、妻の家族から慰謝料を請求することが可能です。しかし、「本当にこの結論でいいのだろうか？」という重い心情を抱えながら、証拠集めを行う過程は、精神的にも非常に辛いものです。
このような状況に陥った時、「離婚」という選択を前にして、多くの疑問や不安、そして深い悲しみを抱えることでしょう。しかし、自分自身の幸福を守るため、また新たな一歩を踏み出す勇気を持つためには、こうした困難な決断を迫られることもあります。
まとめ
婿養子として、新しい家族の中で居場所を見つけるのが難しいと感じることは珍しくありません。このような状況で「きつい」「つらい」と感じた場合、対処法としては、まず自分のそのような感情を冷静に認識し、受け入れることが大切です。
次に、家族とのオープンなコミュニケーションを心がけ、感じている不安や懸念を正直に話し合うことが重要です。さらに、自分自身の趣味に没頭する時間も精神的なバランスを保つ上で重要です。また必要であればカウンセラーなどの専門家の助けを求めることも有効的な手段です。
何度も話し合いを重ねても問題が解決しない場合は、別居や離婚などの選択肢を考えることも必要になるかもしれません。重要なのは、自分自身の幸福を最優先に考えることです。
